#06 Enzo Ferrari

F1テクノロジーから誕生したV12ミッドシップ

 フェラーリが、久々にV型12気筒をミッドシップに搭載したコードネームFX。フェラーリの生みの親であるエンツオ・フェラーリ(Enzo Ferrari)の正式名称を得て、2002年7月に正式発表された。スタイリングはノーズコーンをはじめエアロダイナミクスボディなどF1のテクノロジーを色濃く反映させている。

 2002年9月から行われたパリサロンで、その全貌が明らかとなった。フェラーリ創立60周年記念車として、また349台の限定モデルとして、華々しい戦歴を誇るフェラーリF1とともにその年の話題を独占したスーパーモデルである。(ちなみに2002年11月時点ですでに200台が販売され、アメリカでの価格は67万ドルとアナウンスされている)

 F1のボディカウルそのものをモディファイしたかのようなピニンファリーナの手によるエンツオ・フェラーリ。ダウンフォースは300km/hで775kg、200km/h時でさえ334kgという強い力を得、ハイスピードコーナリングにもF1テクノロジーが導入されている。

 その真紅のカラーに包まれたシャシー、エンジン、エアロボディ、そして電装系などはF1テクノロジーとのコラボレーション。ブレンボのF1タイプカーボンセラミックディスク、ブリヂストンがプロデュースするタイヤ、OMRが受け持つF1タイプのパドルギヤアルミペダルなど、まさにF1とのコラボレーションである。

 エアインテークとフロントのダウンフォースを受け持つノーズ部分、ドラッグとダウンフォースを両立させるサイドライン、空力の収束を担うテール部分、フラットボトムのフロアなどなど、テクノロジーが先行したデザインは、張りつめた緊張感でいっぱいだ。

 ディープなバケットシート、最先端技術で表示されるメーター、ひときわ目立つレッドのスタータースイッチ、レーシングカーを思わせるペダル配置、ステアリングホイール上のインフォメーション、そしてF1テクノロジーの粋を集めた6速パドルスイッチ。エンツオのコクピットには気の抜けない緊張感が漂う。

 エンジンはNAの90度V12DOHC5988ccでオーバー650ps/7800rpmを発揮、ミッドシップに搭載され、0-400m加速を11秒フラット、0-100km/hをなんと3.65秒で駆け抜け、最高速も350km/hを余裕で達成。タイヤはブリヂストンポテンザRE050スクーデリアでフロントはハンドリングを重視した245/35ZR19、リヤはハイパワーをコントロールする345/35ZR19を装備する。