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アロンソを抜いて6位!の琢磨

Jun 11, 2007

070610Takuma_01.jpg 70周レースの66周目、琢磨がシューマッハをパスして7位に上がったとき、プレスルームから拍手が沸いた。それだけで十分なのに(!)なんとアロンソを捉えて、今度は歓声付きの拍手だ。6位入賞。スーパー・アグリと琢磨は、モナコの借りを、完全に返した。

--アロンソを抜いたのは、夢だったんじゃないでしょうか?(笑)。
琢磨 夢だったんですよ(笑)。

--先ずはラルフを仕留めた。
琢磨 ラルフのときは相当気をつけたんですけど(笑)。彼がタイヤがフレッシュだったし、そう簡単には攻略できなくて3周くらいかかりましたが、なんとかサイドbyサイドもあったけれど、クリーンなファイトだったです。お互いに信頼し合ってバトルができました。最後、彼のリヤタイヤに異変が起きて、少しずつグリップダウンしているのが分かったので、落ち着いて機会を待って抜きました。

--アロンソのときは?
琢磨 あんなに早く追いつくとは思わなかったけれど、アロンソはストレートラインが猛烈速くて、スリップストリームに入っても離される状態だったけれど、彼のリヤタイヤのグレイニングが酷いのが見えて分かったし、トラクションも負けていなかったので、思い切りアタックして、抜くことができました。

--アロンソを抜いたのは、ヘアピンを立ち上がった辺りから狙っていたのですか?
琢磨 ヘアピンの出口から、ラルフのときと同じように、相手はトラクションがかかっていないけれどこっちはかかっているので、スリップに入ってもエンジン回転は回りきってしまうけれど、食らいついていけるので、いろいろ考えたんです。彼の走っているラインとタイヤから見て、同じところでブレーキングしたら彼は(止まりきれないで)ショートカットすることがわかったので、1コーナーでしとめれば、と思っていました。そしたら、クルマを止めてくれた(譲ってくれた)ので、安心して外からかぶせてシケインに入ることができました。

チャンピオンを“抜いた”気分

070610Takuma_02.jpg--抜いた状況はどんなかたちでしたか。
琢磨 凄く嬉しかったです。グランドスタンドが、鈴鹿じゃないのに、みんな立ち上がったりしてくれて、凄い応援をしてくれて嬉しかったです。普通の状況じゃないけれど、チャンスがあるときに取りにいけるポジションじゃなければいけないし、今日はそれをボクらのチームはできたので、凄くラッキーもあったけれど、1周目からいいペースで飛ばせたことが今日の結果につながったと思います。

--チャンピオンを抜く、というのはどんな感じでした?
琢磨 明らかにクルマのアドバンテージがあったので、状況としては、普通に抜いたわけではないんですけど、レースをしているわけで、ボクらにも同じことが起こりえたことを考えれば、本当に夢のようなリザルトだけれど、マクラーレンのスリップに入っても離される現実をコクピットでみていて、まさか抜けるとは思っていなかったし、でも、チャンスはあると思ったし、自分から仕掛けていかないとチャンスは生まれないと思ったから、とにかく仕掛けて、アウトからでもいってやれ、って気持ちでした。自信はあったので、そのとおりにできて凄く嬉しいです。

“勝手な”ピットイン

070610Takuma_03.jpg--2回目のピットインですが、ピットが慌てていたようですが。
琢磨 ボクの判断で勝手に入ってしまったので、チームはたまったもんじゃなかったと思います(笑)。無線で伝えていたんだけれど、メカニックは腰を抜かしていましたから(笑)。

--どうして入ることにしたのですか?
琢磨 いろんなことを考えたんですが、最終コーナーに飛び込んだときに、ピットレーンがオープンだったので、瞬間的に判断して無線で「ピットに入る!」と伝えて飛び込んだ。もちろん、ピットは用意できていなかったけれど、夜遅くまでみんなピットの練習をしていたのを知っていたし、いきなり入ってもちゃんとやってくれるだろう、と賭けでしたが自信はありました。しっかりタイヤ交換ができたし、数周前に無線で伝えていたフロントフラップの調整をしてくれたし。そこで給油するとペナルティになるので、それをチームもわきまえていて、リフュールしようという動きもあったけれど、エンジニアが「ちょっと待て」とルールをしっかり把握できていたし、もう一度ピットインしなければならないので、ロスになりましたが、結果的にはその後プライム・タイヤに履き替えることもできたたので、戦略的にはいい方向につながりました。あのまま、予定どおり2周くらい待ってピットに入って給油してオプションタイヤだったら、ポジションを取り戻すのは不可能だったと思います。

レースペースには自信があった

070610Takuma_04.jpg--チームに感謝?
琢磨 ですね。F1はチーム戦なので、F3のように一人でやってるわけじゃないですから(笑)。

--レース中のペースですが。
琢磨 よかったでしょ、今日は。金曜日にセミロングランで手ごたえよかったので、プライムタイヤに関しては、自信があった。ボクたちのクルマは、結果的にチョイスがなくてダウンフォースをつけることになったけれど、今日のシチュエーションでは、いい方向に行きました。

--チェッカーを受けてから何を考えましたか?
琢磨 もう、本当に嬉しかった。バルセロナの(8位入賞の)ときに、「ヤッター!」というのは使い切ってしまったので、同じやったぁでも、嬉しかった。純粋にポジションが上がっただけじゃなくて、バトルして抜いて掴み取ったポジションですっ、それは本当に嬉しかったですね。ピットボードマンも、レーシングカートのレースみたいに、こぶしを振り上げて「行け行けっ!」ってやるみたいに、そんなことF1でやっている人いないと思うけれど(笑)、ピットボードでガッツポーズを出しているのが分かって、やっぱりそういうチームで走らせてもらって幸せだな、と思いました。

戦って勝ち取ったポイントは格別

070611Takuma.jpg--スペインの1ポイントに対して今回は3ポイントだった、ということより、レースができたから?
琢磨 ポイントはボーナスです。スーパーアグリとしては、シングル入賞は嬉しいし、8位から7位、6位と上がっていくのは嬉しいけれど、それだけじゃなくて、今日は、2004年のアメリカGPじゃないけれど、レースでオーバーテイクしたという感覚が残っているのでそれが嬉しいです。ちょくちょくバトルはあったけれど、それが結果につながったことで、今日は本当にすっきりしました。

--インディも?
琢磨 無理無理、もう無理ですよ(笑)。普通のレースではありえないですから、あんまり期待しないでください(笑)。でも、個人的にもいい思い出もたくさんあるし、クルマもここよりは、ボクらとしてはコンペティティブにできる自信もあって、ここでQ3が見えていたので、インディでQ3を目指してもう一度しっかりいい位置からレースをしたいです。
(Masami Yamaguchi/MYS)