「トップ8でゴールできるなんて!」(琢磨)
May 14, 2007
百点満点をつけられるレースだった。土曜日までの流れは、上手く歯車がかみ合っていなかったが、「レースペースは、いい感触を期待したい」と言っていた通りの展開になった。
開幕戦と第2戦で出たチームのミスもなく、第3戦で見舞われたエンジントラブルもなかった。もちろん、琢磨自身も、ミスのない完璧なレース。相手が昨年のチャンピオンだったルノーであることを考えれば、想像できない大躍進だった。
車両保管場から最も遠いチームのモーターホームに戻った琢磨は、チームスタッフが勢ぞろいで待ち受けるのを見つけると、テレビカメラを振り切って駆け出し、スタッフの胸に飛び込んだ。
チームにとって初ポイント。まだまだシーズンは始まったばかりだが、シリーズ10位になれば、機材運搬も無料になる上、スタッフの航空チケットも支給される。弱肉強食のF1で、スーパー・アグリは一人前になる階段を一歩上がった。
--今の気持ちは?
琢磨 本当に信じられないですね。1年と4レースしか経っていないのに、ルノーと真っ向から戦ってそれを打ち破ってポイントを手に入れたわけですから。もちろん、常にポイントを狙っていますが、トップ10フィニッシュがいかに厳しいか最初のメルボルンのレースから知ってきたし、バルセロナのアップデイトキットでいいテストを行なったといっても、昨日までの流れからはトップ8でゴールできるなんて思いもよらなかったですから。スタート直後もクルマのバランスがパーフェクトではなくて、最初のスティントもセカンド・スティントもちょっと苦しんだんですけど、とにかく最後まで走りきってラストスティントではクルマがいいバライスになりました。
--フィジケラと争っていたことを知っていた?
琢磨 ジャンカルロと争いながら走っていたけれど、彼がどこにいるか見えなくて、これだけ終盤になってピットストップかあるかどうか分からなかったけれど、実際にジャッカルロがピットに入ったとき、エンジニアが「プッシュプッシュ!」と言ってきました。
--フィジケラの前に出たときはどんな様子でした?
琢磨 ピットからジャンカルロが出てきて、1秒くらいの差で前に出られたときは、ホントに信じられなくて。でも、とにかく彼らに勝てるなんて思えなかったので、その前に、ハミルトンに周回遅れにされてたときに、1秒半くらいロスしていたので、間に合うかどうか分からなかった。彼(フィジケラ)もフレッシュタイヤを履いて(ピットから出てきて)いるので、最初の2周くらいテールに喰らいついてきたので苦しかったけれど、なんとか振り切れました。リーフィールドの全員や、栃木のホンダのみんなも本当に素晴らしい仕事をしてくれて、ボクらをここに押し上げてくれたことに本当に感謝しています。
--戦略もうまく運んだ。
琢磨 ピットワークや戦略、トラフィックサークルのストラテジーも完璧でした。チームの仕事は100点満点だったと思います。
--ここまで長かったですか?
琢磨 始めて1年半でポイントを取れたのは奇跡に近いと思いまず。チームのみんなの努力でこんなに力が出せることが分かって本当に嬉しいです。
--胴上げされている時の気持ちは?
琢磨 このチームに来てから、何度も胴上げされていますが(笑)、みんな心から喜んでくれて本当に嬉しかったです。ボクを支えてくれたみんなに感謝したいです。
--悲願達成ですね。
琢磨 これ以上望めないし、1ポイントですけどボクらにとっては優勝みたいに嬉しいです。でも、今日は運に助けられたこともあるし、ここからこの状態をキープしていくのは本当に大変だと思うので、あさってからポールリカールでテストが始まりますが、モナコでも、同じようなパフォーマンスが出せるように気を引き締めて頑張ります。
--おめでとうございました。
琢磨 ありがとうございます!!
(Masami Yamaguchi/MYS)
