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佐藤琢磨2007初インタビュー「全戦ポイントを狙っていきます」

Feb 6, 2007

070206Takuma_1.jpg 去年の今ごろは、クルマの陰も形も見えず、レースに出られるかどうかも定かではない状況から、なんとか開幕戦に転がり込み、苦悩の1年が始まった。

 しかし今年、そのスーパー・アグリF1チームは、すでにテストをこなし、多くのライバルと同じ状況で準備を進めながらシーズンインを待っている。

 不順ながら徐々に天候が上向き始めたバレンシアで、オフ3度目、今年2度目のテストをこなした佐藤琢磨に話を聞いた。チーム同様、地に足が着いたムードで開幕戦を待つ心境が現れてか、一言一言、いつも以上に歯切れのいいコメントが印象的だった。

--あけましておめでとうございます。
琢磨 あ、そうですね。おめでとうございます(笑)。今年も、よろしくお願いします。

--早速ですが、今年は去年に比べて、気分が相当違うと思いますが。
琢磨 うん、そうですね。去年の今ごろは、シェイクダウンも済ませていなかった状態ですから。

070206Takuma_2.jpg--チームがあるのかどうかも分からなかった。
琢磨 (笑)そうですね。でも、チームは休む間もなくフルスピードで働いていた時期ですが、アプローチとしては、今年はずいぶん違いますよね。

--それに対して今年は。
琢磨 ウィンターテストも12月から充分にこなしているし、1月に入っても、今回(のバレンシアは)天候にちょっと悩まされていますが、ここに来るまではだいぶ周回もこなして、新しい機材と環境に慣れていい感じでここまできているので、開幕戦に向かうのが楽しみです。

--去年とは天と地ですね。
琢磨 そうですね。本来のF1のあるべき姿に1年で追いついているのは凄いことだと思います。

バレンシアテストでの天候不順は残念だった

070206Takuma_3.jpg--シーズンオフテストは何回目になりますか?
琢磨 ボクは12月の最後のヘレス、1月の今年最初のテスト、で今回が3回目ですね。

--いままではタイヤも1種類だったし、テストというより確認作業だったと思いますが、今回から本格的なテストに入ったと思いますが。
琢磨 その通りなんですけど、そのタイヤが(1種類しか)使えなかった(笑)。1本だけおろしたけれど天候が悪くて使えなかったんです。無理やり走れば走れないこともなかったけれど、年間通して使える数が(300セットに)決まっているので、この先の予定も含めて、今回の予定を計算していくと、今回無理して使う必要もない、ということになりました。昨日と今朝なんか、ヘレスで使っていたタイヤをもう一度使っていたくらいですから。午後のちょっと乾き始めたときに、ハードのニュータイヤを入れてみたんですけど、7周で終わってしまいました。

--今日(1月31日=2日目)のテスト項目は?
琢磨 本当はタイヤテストをやりかたったんですが天候が変わってできなかった。セットアップも、ニュータイヤに合わせて変更した時点で雨が降ってきちゃったので、それもできなかったですね。結局、また制御系だけのチェックで終わっちゃいました。昨日と今日で30周プラスしかできていなくて、あまり収穫がないのは残念ですね。これまでは順調に来ていたんですけどね。

--順調とはいえ、問題がある?
琢磨 いや、ここまでは順調ですよ。今回のテストに限っては、天候のことがあってできなかった、ということです。まぁ、テストをやっていればこういうこともあるし、逆にこういう条件が悪い中でいかにクルマを制御していくか、というトライができたことも事実ですから。

バーレーンからレ−ススペックで

070206Takuma_4.jpg--アンソニーと2001年のF3以来、久し振りにコンビを組みます。実際問題、どんな感じですか?
琢磨 実際問題(笑)、いや、嬉しいですよ。一緒には走っていないけれど、アンソニーはイギリスF3で走っていたし、BARのころにテストドライバーとして一緒だったし、こうしてレースドライバーとして一緒にやれるのは楽しみだし、彼のF1でテストドライバーとして5年間、6年間培ったことをすごくいい形で生きると思うので、チームも楽しみにしています。

--モーターホームとか、去年のままですか? クロームのホイールが磨き込まれてきれいに見えますが。
琢磨 ただ掃除しただけじゃないかな。何も変わってないはずです。体制的にも同じです。やってることは変わらないと思いますが、チームの雰囲気は本当に素晴らしいね。余裕があるわけではないですが、去年1年経験してきて、自分たちがやるべきことが分かっているので、その一つ一つの目標に対して行動していく、というプロセスが、去年はまったくない状態で、一人三役とかで徹夜徹夜でがんばっていた。でも、今回なんて、夜11時前に終わったりしてますから。

--早い!(笑)。
琢磨 前回のヘレスなんて、10時にはメカニックが帰ってゆっくりしてますから。そういう意味で、怪我とかもまったくないし、すごくモチベーションを上げたままで進んでいます。

--発表会は3月12日に決まりましたが、それまでのテストは、このクルマということになりますか?
琢磨 う〜ん、すべて順調に行けば、2月22日から3月1日に2度に分けて予定されているバーレーンのテストからレーススペックですね。だから次のテストは(バルセロナを飛ばして)ヘレスになります。ボクが行かないバルセロナ・テストからレースチームで完全にやりだして、バーレーンではレースで使うマシンをデビューさせる予定です。持っていくのは1台になると思います。

--バーレーンは2回とも?
琢磨 走ります。アンソニーが前半をやって、(2回に分かれた)最後のテストです。

日本での発表会はすごく楽しみ

070206Takuma_5.jpg--日本の発表会には、どのクルマを持っていくのかな?
琢磨 完成した2台目をそのまま直送するんじゃないかな? それともショーカー。う〜ん、ショーカーなんか作っている場合じゃないか(笑)。税関を通す問題もあるし、パッキングを日本で外す、というのは相当大変ですから。

--本人は日本に来ますよね。
琢磨 もちろん! バーレーンのテストからモナコに戻って身支度して日本に行きます。

--去年、11月に鈴鹿ともてぎでイベントがありました。鈴鹿のときにビックリしたけれど、凄い人気でした。1年間苦労した中で、ファンが応援してくれたというのは実感できましたか?
琢磨 本当に嬉しかったです。年間通して、ボクたち当の本人たちも分からない状態で始めたじゃないですか。何やってんだか分からないのに、遠くからブラウン管を通して見てくれているファンが、テールエンダーとして走っているにも関わらず、ずっと応援してくれた、というのは嬉しかったですね。年間通して、ボク自身に跳ね返ってくる応援はあったけれど、やっぱり鈴鹿に行ってあれだけのサポートを受けるというのは素晴らしいと思います。

--去年のシーズンオフテストにスムーズに移行して、いい感じでテストも進んでいます。どんどん上昇機運に乗っている感じがありますか?
琢磨 はい、そうですね。ブラジルでまぁ、ストレートなファイトで順位をもぎとれましたよね。あそこでやっぱり続きを見せていかないと。今年は、周りの期待も上がるだろうし、自分たちの期待も上がるので、正直言ってもっと厳しい目で見られていくと思うけれど、その辺り、リザルトが負けないようにしていきたいと思います。

全戦ポイント獲得を狙うつもり!

070206Takuma_6.jpg--自信というか、チームの雰囲気としては、いい感じで進んでいる。レースの結果について何位ですか、というのは愚問だと思いますが、アンソニーが11月にもてぎに来たときに、シーズンオフにすべてが順調に進んだとして、開幕戦のグリッドは何番手か、と聞いたら、「10位」と言ってましたが。
琢磨 ボクは、全レースでポイント獲得を目標に行きたい。

--おっ!
琢磨 そういうスタンスでボク自信はメルボルンに行きたいですね。もちろん、すべては段階を踏まなきゃいけないですけどね。ボクらは、セカンドピリオドさえ、予選を走ったことがないですから、オーストラリアでは、当然、第2ピリオドに進出して、トップ10に入ることから始めなければならない。でも、決勝を見れば、トップ10フィニッシュを目標におくのではなくて、ポイントを争っていくレースをしたいですね。

--とはいえ、得点というと8位までですから、マクラーレンがいて、ルノーがいて、フェラーリがいて、ホンダやトヨタ、BMWとくると、もうそれで12台です。
琢磨 なので、ワークスの一角を崩さないとダメですから、それって凄いことなんですよね。そんな簡単ではないと思います。ただ、目標はすべてのレースでポイント獲得を目指して走りたい。

070206Takuma_7.jpg--それはチームのみんなにも話をしている。
琢磨 みんなもやる気満々です(笑)。ただ、冬のテストを見てもらっても分かるけれど、そんなに簡単じゃない。周りのチームは新車をどんどん出してきていて、やっぱりパフォーマンスが高くて、ボクらは今一生懸命データをコレクトして、ヒーヒー精一杯ですから。ただ、去年みたいに4年も5年も前のクルマをリファインして、という状況ではないので(笑)。

--去年はよくやったよね。
琢磨 本当によくやったと思います。ウィンターテストを経てシーズンインする、という当たり前の形になっているので、本当に素晴らしいことだと思います。

--スタート地点に並んだだけでも大変と。
琢磨 ですね。でも去年とは比べ物にならないですから。逆に楽しみだし、今回みたいに天候でテストがうまく行かないと残念ですけど、これまでのテストは順調なので、早く開幕戦に行きたいです。

070206Takuma_8.jpg--ライバルチームはどの辺りになりますか?
琢磨 まぁ、プライベーターと言われるところは、とりあえずはやっつけたいですね。トロ・ロッソがどういうクルマを作ってくるか分からないですし、それからレッドブル、BMW、ウィリアムズもどうなるか分かりませんけど、その辺りはまずは、ライバルになりそうですね。ただ、どういうクルマを出すか分からないけれど、トロ・ロッソとミッドランドは、個人的には去年やっつけたと思っているけれど、ワークス勢に喰らいついてその一角を崩したい。

--本家がいきなり相手だったりして(笑)。
琢磨 (笑)。それはそれでいいんですけど。まぁ、どこがこようがガンバっていきたいです。

--がんばって下さい。
琢磨 ありがとうございました。
(MasamiYamaguchi/MYS)